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2009年09月25日 (21:51)

「ロックフェラー」路線とは何か:オバマ/鳩山路線の絶対矛盾

先に、オバマ政権と鳩山政権が類似していることを示唆した。思うに、それは、「ロックフェラー」路線である。田中宇氏は多極化論者であり、多極化は資本の論理に拠ると述べている。
 思うに、「ロックフェラー」路線自体が、絶対矛盾の路線ではないだろうか。従来の同一性金融資本主義(ゴールドマン・サックス)と差異共振主義が「連続」化している路線ではないだろうか。
 温暖化似非環境路線は、同一性金融資本主義側の謀略ではないだろうか。それに、鳩山政権が乗っているというか、乗らされているのである。
 しかしながら、トランス・モダンとは、差異共振主義であり、それは、同一性主義を否定する(正確には、乗り越える。つまり、同一性主義を差異共振主義に変容させる。)ものである。
 とまれ、残滓の同一性金融資本主義路線がどこまでもつかである。その「二番底」の崩壊が来るまで、差異共振経済を形成できるのかが問題である。
 とまれ、綱渡りは、日米ともに続くと言えよう。日本は官僚主義的同一性金融資本的社会主義から脱皮して、差異共振政治経済社会へと転換するべきである。 
 もう少し述べたいところであるが、余裕がないので、ここで留める。


参考:
多極化に対応し始めた日本
2009年9月25日  田中 宇

・・・・・

▼日本を冷戦思考や対米従属中毒から引き離す「脱官僚」

 すでに短く書いたが、私が見るところ、オバマ政権が鳩山政権に対して意外な親密さや理解を示しているのは、今の米中枢が隠れ多極主義の戦略を採っているからだ。日本は小泉政権の時代に、対米従属を強化するか、もしくは対米従属を薄めてアジアとの関係を強化するかという選択肢があったが、小泉は対米従属強化の方に進み、次の安倍政権以後はそれが踏襲された。福田政権はアジア重視をやろうとしたが、小泉時代から強まった中韓朝露に対する敵視プロパガンダに阻まれ、動けなかった。その後の麻生政権まで、米国は一貫して、表向きだけ日本重視といいつつ、実態は日本無視だった。それは、米国中枢で米英中心主義より多極主義が強くなっていったのに、日本は対米従属の姿勢を変えたがらなかったためだ。

 民主党も、しばらく前までは「自民党よりさらに積極的な対米従属策を採る」というネオコン的な戦略が党内にあった。今回、国土交通相となった前原誠司らが、以前にその戦略を採っていた。小沢一郎は、以前から「日本は米国・中国の両方と等距離の正三角形の外交関係を持つべきだ」と考えていたが、それと対照的なネオコン戦略も党内にあった。しかし、米国でネオコンが失敗の烙印を押され、米国の崩壊感が強まった後に政権をとった今の民主党からはネオコン色が消えた。前原は巧みに態度を変質し、閣僚ポストを得た(小沢と対立していたのではなく、小沢の了承を受けた上で、党の方向性を模索する別働隊的な動きをしていたのかもしれない)。

 鳩山が、選挙前に発表した論文「私の政治哲学」で、米国の市場原理主義が失敗したと明言したことは、民主党がネオコン戦略と決別し、米国の衰退と世界の多極化に対応して、小沢の正三角形外交戦略に一本化したことを示している。マスコミでは、鳩山と小沢の間に齟齬があると書かれている。個人的な相性は悪いのかもしれないが、東アジア共同体(アジア通貨統合)や、日米関係の対等化など、鳩山が論文で書いた外交戦略は、小沢の戦略と一致しており、戦略的には両者の間に矛盾が感じられない。 (「私の政治哲学」鳩山由紀夫 )

 民主党は「対等な日米同盟」を掲げているが、米国は2000年の「アーミテージ・ナイ報告書」で、すでに「日本は米国に従属するのではなく、対等な同盟関係に近づくべきだ」と書かれている。(アメリカの戦略を誤解している日本人 )

 戦後の日本は、多極主義と英米中心主義が暗闘する米国中枢の、英米中心主義(冷戦派)の方から強い影響を受けている。冷戦派は占領軍として、政治家より官僚機構が力を持つ戦後日本の体制を構築したが、その結果、官僚機構は対米従属や冷戦体制の永続化を望む傾向が強くなり、米国は日本に対米従属を求めているというプロパガンダを深く国民に植え付けた。民主党が、官僚制度の解体再編を方針として掲げているのは、日本を冷戦型思考や対米従属への中毒状態から引き離そうとしているからともいえる。

 英米中心主義は、国際的な元締めが、情報戦能力が高いMI6の英国やイスラエルであり、プロパガンダ技能に長けている。日本を英米中心主義から多極主義の側に転換しようとする民主党は、失政やスキャンダルなどを誇大報道されて短命に終わりかねない。だから鳩山政権は対抗手段として、小沢が得意とする、めくらまし的な表裏のある戦略をとっている。


・・・・・


▼円高容認で対米優位を得る日本

 鳩山政権は「地球温暖化対策」に熱心だが、これにも裏表がある。鳩山は国連で、温室効果ガスの排出を大幅に削減することを世界に向かって約束したが、この約束には「世界の主要な諸国が同様の大幅削減を目標として掲げた場合、日本も大幅削減を実施する」という条件がついている。 (New Japanese leader makes world debut at UN, bilateral conferences )

 世界の気候は今、むしろ寒冷化の傾向にある。温暖化対策を推進してきた著名なドイツの学者(Mojib Latif)が「世界は今後20年ほどは寒冷化傾向になるが、その後は必ず温暖化する」という新説を発表したりしている。温暖化を主張してきた学者たちは、今回の温暖化停止(寒冷化傾向)を全く予測できなかった。そんな無能さなのに「20年後に必ず再び温暖化するから、世界はその時に備えて対策をとるべきだ」という彼らの新説が正しいと考えるのは、どう見てもおかしい。こうした懐疑心が世界に充満し始め、国連が提唱する大幅な排出規制を世界の諸国が実施する可能性は大幅に低下している。鳩山が約束を守る必要は減っている。 (Scientists pull a temporary about-face on global warming )(UK climate scepticism more common )(No Leader on Climate Change as Nations Prepare to Meet )


経済面では、民主党政権は円高ドル安を容認し、従来の日本の「円安ドル高が日本には良いんだ」という善悪観から脱却していきそうだ。これを書いている間にも、藤井財務相が「円安政策はとらない」と米国で宣言した。民主党は、大蔵省財務官出身の榊原英資を経済顧問としているが、榊原は昨年、ドルが崩壊していく過程を見越したらしく「安い円が望ましい時代は終わった。資源高騰の中、今後は強い円が日本の国益に合う」と主張し、その後は「強い円は日本の国益」という本も出している。 ('Mr. Yen' sees U.S. policy makers as behind the curve )

 そもそも、日本の輸出産業の利益のみに焦点を当てて「日本には円安ドル高が望ましい」と考える従来の教科書的な考え方は、政治的に見ると、日独がドルを買い支えるという、1972年のニクソンショックから90年代の金融グローバリゼーションによる米英復活までの英米中心主義の戦略に沿ったものであり、日本の対米従属戦略の一環である。米英が金融財政面で崩壊感を強める今の局面で、日本が米英と共倒れになるのは馬鹿げており、円高ドル安を是認する榊原や民主党の考え方はまっとうだ。民主党政権は、アジア開発銀行やASEAN+3が推進してきた「アジア共通通貨」(アジア通貨統合)の構想を支持しているが、これもドル崩壊への備えと考えれば当然の方針転換である。

 今のタイミングでの円高容認への日本の方針転換は、米国にとって非常に危険である。円安ドル高を信奉していた従来の日本は、円高ドル安傾向になると、当局が公然とあるいは秘密裏に円売りドル買い方向の介入や仕掛け作りをしていたが、今後の日本はドル買いをしなくなり、米国債の買い増しもしなくなっていく可能性がある。これは、ドルと米国債が急落する可能性を強める。日本と中国が協調してドルと米国債を見放したら、米国は破綻してしまう(日中は巨額のドルや米国債を持っているので、簡単には動けないが)。(US May Face 'Armageddon' If China, Japan Don't Buy Debt )

 日本人の多くは従来「米国に嫌われたら日本はひとたまりもない」と恐れてきた。しかし今、日本人が「日米関係を変える」とは自覚せずもっと漠然とした危機意識から8月末にとった投票行動によって民主党政権に転換して考えてみると、日本は対米従属一本槍の国是を静かに離れることによって、実は意外にも米国に対して強い立場を持てる事態となっている。似たような米国との関係性の転換は、ここ数年、中国やアラブ諸国も経験しており、それが世界体制の多極化につながっている。今後、時間がたつうちに、日本人は世界において自分たちが置かれている新たな立場の意味に気づき、自信を持つようになるかもしれない。この自信や覚醒(日本人だけではなく、欧米より劣位にあると思い込んでいた世界中の諸民族の自信と覚醒)こそ、米国の隠れ多極主義者が待ち望んでいるものだと私は考える。ブレジンスキーは、日本の転換を見て喜んでいるだろう。(世界的な政治覚醒を扇るアメリカ )

▼小沢一郎を評価すべき

 今回の私の記事は、民主党支持になっているが、私は民主党内の元ネオコン系の人々(リベラル右派)が詐欺師に見えるので好きでない。彼らが、米国本家のネオコンの一部と同様に「わざと過激にやって失敗させる隠れ多極主義者」であるのなら、その奥の深さは尊敬に値するが、英イスラエルにがんじがらめにされた覇権国である米国と異なり、日本は隠れ多極主義などというややこしい自滅戦略をとる必要はないので、日本の元ネオコンの人々は、おそらく単に風見鶏的に付和雷同なだけである。だから、私は民主党を支援したいと思わない。

 私が今回、民主党を評価しているのは、彼らが日本の対米従属維持のプロパガンダの嵐を乗り越えて、米国の崩壊と世界の多極化に対する準備を開始しているからである。プロパガンダを軽信する人々からの中傷や非難を恐れ、マスコミに継続的に登場するため、簡単に自説を曲げてしまった言論人が、日本でも米国でも非常に多い。日本の言論状況は、昭和19年ごろよりひどいかもしれない。そんな中で、日本が米国と無理心中することを止めようとする民主党政権は、尊敬に値する。小沢一郎は高く評価されるべき政治家である。

 その一方で、自民党や官僚機構内部にいる人々にとって、対米従属を脱することは非常に難しいことだったことも理解できる。今回の日本の転換は、8月末の選挙で本格的な政権交代が起こり、まっさらな民主党が好きなように今後の日本の戦略を変えられる立場についたからこそ起きた。自民党でも、同じ立場になったら、似たようなことができるはずだ(自民党はリベラル詐欺師も少ない)。民主党政権は、今後あるかもしれないスキャンダルや国際金融危機の再来の責任をとらされて短命に終わるかもしれず、自民党政権に戻るかもしれないが、その場合でも自民党は対米従属に戻らず、多極化対応を継続することが期待できる(自民党がどう再生するかまだ見えないが)。

 官僚機構の内部にいる人々も、米国と無理心中せずにすむかもしれないということで、今回の日本の転換に安堵しているのではないかと思われる。まだ今後、逆流的などんでん返しがあるかもしれないが、少なくとも日本がひさびさに国際社会のプレイヤーとして復活したことは、ほぼ間違いない。日本人として生きるのがうれしい時代が戻ってきた観がある。

http://tanakanews.com/090925japan.htm
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